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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

あまりに堂々とした態度とそのアグレッシブな格好が相まって、はじめのうちは魔族のものたちも同族と信じて疑わなかったほどだ。

しかし事態はそう面白おかしい方には転ばない。

「人間の臭いだ!!」

嗅覚の鋭い魔物に気付かれ、辺りは騒然となる。

一気に紫響は魔族に囲まれてしまった。
西の都総攻撃作戦が成功して、攻撃部隊の魔族は撤退したあととはいえ、ただでは済まされない気配が漂う。

「貴様っ……この西の都にやって来るとはいい度胸だな……」

「あたしだってこんなことになってるなんて知ってたら来なかったわ」

気だるそうに答えるその姿には怯えてる様子がない。

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