テキストサイズ

闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

「せっかくマギトの仇に会えたんだから邪魔しないでっ!!」

ミーカは歯を剥き出しにして怒りを露にする。

「そうはいかないわ……人間の、それもあなたみたいなジャリガキにわずかでもダメージを与えられたとあっては私のプライドが許さないもの……」

消し去りたい過去はその歴史を創った張本人ごと消し去る。
それがゆずのポリシーだ。

ゆずが魔術を放とうとした瞬間、城壁の上から小石が投げられ、ゆずの頬を掠める。

「なぁにガキ相手に吠えてるんだよ……」

睨み付けたゆずの視線の先には狼男に変化したTOMが立っていた。

「貴様っ……邪魔するなっ!!」

「それは私の台詞なのっ!!」

ゆずがTOMに吠え、ミーカがゆずに怒鳴る。

(もう絶対……これは死ぬ……)

月夜野は震えながら死を覚悟していた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ