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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

澪のコントのような騒ぎに乗じて月夜野はこっそりとテレポートの術を発動させた。

「あっ!? あの男いなくなってるっ!!」

ミーカがそれに気づいた頃は手遅れだった。

「せっかくっ!! せっかく見つけたのにっ!!」

半泣きになりながらミーカは駆け出す。

「おいっ!! 待ちなっ!!」

すかさずそのあとをゆずが追って行った。

そしてあとにはTOMだけが残された。

「なんだ……あいつら……」

呆れた顔して走り去っていくものたちを城壁の上から眺めていた。

「けど、あの消えた男……どっかで見たことあるんだけどなぁ……」

TOMは記憶の糸を手繰って思い起こす。

が、思い出せない。

「ま、いっか……」

ライブであれほど盛り上がった仲なのに記憶に残っていなかった。

それくらい月夜野は忘れられがちなキャラだった。

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