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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

~第二ターン 北の都~

今の王立軍は国民のためではなく、王と一部の特権階級のためにしか機能していない。

国民たちの代表として世を正す月影は軍の幹部を粛清するために北の都へ赴いていた。

軍の腐敗を食い止めるためには幹部を変えるしか方法はないと判断したからだ。

いくら月影が個々の村や町を盗賊や魔物から救っても限度がある。

それらは元々軍の仕事なのだ。

軍を変え、まともに職務を果たしてもらいたい。
それが月影の狙いだった。

月が雲に隠れる暗夜、闇に紛れて月影は軍施設へと侵入する。

目指すは北方軍局長の邸宅だった。

士気の上がらない王立軍の警備は甘く、拍子抜けするほど侵入は容易かった。

「嘆かわしい……これが王立軍の警備なのか……」

思わず月影からそんな言葉が漏れるくらいだった。

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