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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

「くっ……!!」

ゆきめの目に怒りが宿る。

どちらもダメージを受けてない戦いだが、ゆきめの方は精神的なダメージを相当受けていた。

「少しは落ち着きなさい、お嬢ちゃん」

ようやくゆきめの攻撃が止まり、紫響は落ち着かせようと声をかける。

「私は別にジュゼッペさんを----」
「許さないからっ!! おばちゃんなんかに負けないからっ!!」

「えっ……」

紫響の表情が凍りついた。
処女だの田舎娘だの散々罵られたゆきめからしてみれば少しだけ言い返してやった程度のつもりだった。

「今、なんて言ったのかしら?」

紫響から滲み出るオーラは殺意に漲っていた。

「えっ……そ、その……」

おばちゃん、と繰り返せば命はない。
ゆきめもその事実は肌で感じていた。

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