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闇の王と光の騎士

第7章 地獄の門、開く

「貴様のような小娘に何が出来る……」

「貴方を止めることが出来るわ」

二人の間には入り込めないほどのオーラが漂っていた。

「ほざけ、小娘っ!!」

サタンが矛で突きを放つ。

まるで矛が何本もあるかのような、残像が見える高速の突き。

それを払いながら霧里がガードする。

しかしあまりの速度に霧里は対応しきれなかった。

「あうっ!!」

矛が二の腕を掠め、血飛沫があがる。

なおも続く矛の連続突きに霧里はひたすら防戦するが、二度三度とその凶刃は霧里を掠めた。

脇腹が切れ、頬が切れ、太ももが切れる。

「くそっ……」

ようやく矛を掴んで突きを止めたときにはローブがズタズタに破れ、露になった素肌には血が滲んでいた。

しかし殺戮することを刷り込まれた15歳の少女の目には恐怖は滲んでいない。

狼のような鋭く、餓えた眼光が櫻啼に向けられていた。


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