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闇の王と光の騎士

第9章 暴君王のスピーチ

「うわぁっ!! 立派な魚だなぁ!! こんな魚でアクアパッツァ作ったら美味しいだろうなぁ!!」

ゆきめは目を輝かせながら市場を見て回る。
料理人であるゆきめにはこの場所は夢のようであった。

次は青果店に行こうとしたゆきめは足元にモフモフ感を感じる。

「ん?」

うつ向くと足に猫が頬を擦り寄せてじゃれついていた。

「あっこの子はっ!?」

「これ、シャルルっ!!」

ともこはゆきめにじゃれつくシャルルを抱き上げた。

「すいません。普段は人になつかない猫なんですけど」

「いえいえ!! この子、あなたのペット?」

「はい。シャルルって言います」

差し出すようにシャルルを見せる。

「可愛いねー。前病院で見かけた気がする。東の都の薔薇十字で」

「あーはいはい!! 行きましたよ、私」

年の近い二人は一気に親密になる。

シャルルはずっとゴロゴロ頸を鳴らし、ゆきめにじゃれついていた。

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