
闇の王と光の騎士
第9章 暴君王のスピーチ
~第二ターン 王立博物館~
すっかり観光気分の遥風が市場の次に訪れたのは王立博物館。
観光の王道コースのひとつだ。
無敵の強さを誇る用心棒とは絶対に思えない気の抜けきった様子で散策していた。
相変わらずの袴姿は目を引くが、今日はすまいる王のスピーチの日とあって様々な国から人が集まっており、それほど奇異にも映らなかった。
「あれ? 博物館閉鎖中?」
先程の騒動があり、博物館は当然閉鎖していた。
「なんだ……がっかりだなぁ……」
撫で肩を竦めて戻ろうとした時----
「っ!?」
邪悪な気配を感知した。
それまでの寝惚けたような顔が緊張に強張り振り返る。
(あいつか……?)
視線の先には険しい表情で博物館を見上げるゆずの姿があった。
もちろん堕天使の紋様や黒翼は出ていないが、オーラを隠しもせず、憎しみに満ちた気配を漂わせていた。
すっかり観光気分の遥風が市場の次に訪れたのは王立博物館。
観光の王道コースのひとつだ。
無敵の強さを誇る用心棒とは絶対に思えない気の抜けきった様子で散策していた。
相変わらずの袴姿は目を引くが、今日はすまいる王のスピーチの日とあって様々な国から人が集まっており、それほど奇異にも映らなかった。
「あれ? 博物館閉鎖中?」
先程の騒動があり、博物館は当然閉鎖していた。
「なんだ……がっかりだなぁ……」
撫で肩を竦めて戻ろうとした時----
「っ!?」
邪悪な気配を感知した。
それまでの寝惚けたような顔が緊張に強張り振り返る。
(あいつか……?)
視線の先には険しい表情で博物館を見上げるゆずの姿があった。
もちろん堕天使の紋様や黒翼は出ていないが、オーラを隠しもせず、憎しみに満ちた気配を漂わせていた。
