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闇の王と光の騎士

第9章 暴君王のスピーチ

多勢に無勢。
月影は魔術で一気に全員を攻撃しようと構える。

「たぁあッ!!」

澪は黒髪を風になびかせ、月影の懐に入り込む。

「くっ……」

身体を入れた澪は月影の腰と手首を掴む。

(投げられるっ……させるかっ)


小柄な澪に投げられる訳がないと月影はグッと腰をおろし、全身に力をこめる。

「えっ……」

次の瞬間、月影の身体は宙に浮いていた。

「てぇえいっ!!」

月影はまるで木の葉のように舞い、地面に叩きつけられる。

「うっ……」

衝撃で一瞬呼吸が止まる。
受け身が不十分なせいで競技の柔道とは違い、直接的なダメージを受ける。

「小さいからって油断したでしょ? 柔よく剛を制す、てやつよ」

澪の顔に余裕が浮かんだ。


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