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闇の王と光の騎士

第9章 暴君王のスピーチ

「きゃあっ!! あぁあっ!!」

木の葉が腕を切り、小石が皮膚を突き破る。

ようやく術が解け、澪は空中から勢いよく落下した。

「親分ッッ!!」

慌てて仲間たちが駆け寄る。

「正義に迷いなどない……悪は成敗されるべきだ……」

月影は剣を振り上げ、澪に向かって降り下ろす。

その瞬間、ドッと爆発のような喚声が響き渡った。


すまいる国王がスピーチのため、群衆の前に現れたことを告げる喚声だった。

(しまった……)

月影は素早く剣を鞘にしまい、城前の広場に走っていった。

悪の元凶、すまいる王は月影がもっとも討たねばならない存在だったから。

「親分っ!! 大丈夫ですか!!」

「大丈夫……見た目ほどダメージないから。てかあの人逃げたの? これから本気出すとこだったのに」

強気な澪はそんなことを嘯いた。

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