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闇の王と光の騎士

第11章 戦慄の国内浄化作戦

「ふんっ……これを見ろ……」

櫻啼が投げたものが放物線を描き、TOMの足許に転がる。

「ッッ!? つ、月夜野ッッ!?」

それはすっかりTOMが忘れてしまっていたライブで出来た友人の月夜野の生首だった。

「知り合いか? まあどうでもいいがな……そいつはマギトを殺した人間だ」

「月夜野が……マギトをっ……!?」

TOMは絶句する。

マギトはTOMたちと同じ、人狼だった。

TOMと同じように、いや、それ以上に人間と関わってきた魔族であった。

魔族封印の際も難を逃れ、人間社会に溶け込んで暮らしていた。

人間好きという異端で魔族からは嫌われていた。

「マギトはバカなやつだ……人間たちを救うため、反乱軍を立ち上げ、結局人間に殺された……」

TOMは月夜野の生首を見つめながら、マギトを思い出していた。

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