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闇の王と光の騎士

第21章 ~エピローグ 光の騎士~

「早くしろ……気が変わって逃げ出したくなる」

「それでは……逃げてください……お願いします」

斧を降り上げたままももはは嗚咽する。
どれ程憎んでも、やはり彼はももはの英雄に違いなかった。

「うつけものが!! なぜ命を張ってでもまあやがお前を殺そうとしたのか、分からんのか!!」

「まあやが……?」

「お前がこうやって躊躇うことを見抜いていたからだ!! お前が俺を殺せないことくらい、あの女は見通していた!! 俺を殺せないような奴にらふぃんは守れない!!」

すまいるは部下に最期の叱咤を贈る。

「ううっ……うぁあああおおおおおおっ!!」

泣き叫びながらももはは巨斧を叩き下ろす。

血飛沫が飛び散り、ももはを赤く染めていた。


数々の犠牲者を払った王国の動乱はこうしてすまいる王の死で幕を下ろした……

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