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闇の王と光の騎士

第5章 破滅のはじまり

遥風は先ほどまでの昼行灯のような気配が消え、鬼神のような激しいオーラをまとっていた。

「は、遥風ッ!! あいつを殺せっ!!」

ステファノは震える声で命令した。
遥風は無言で上空のサタンを見据えていた。

「次は容赦しない……」

櫻啼は深く息を吸い込むと一気に吐き出す。

その息が黒い煙となった。

黒煙殺----

櫻啼の大技だ。

「ひ、ひぃいいっ!!」

恐怖でステファノは目を閉じる。

遥風は木刀を天に掲げるとその剣先から光が溢れさせた。

魔術、天晴道だった。

闇の魔術に的確に光の魔術を出す。

それは『王国随一の用心棒』と呼ばれる遥風に相応しい対処といえた。

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