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二つの術はまたも勢いよくぶつかり、反発しあう。

光と闇、互いが憎しみをぶつけ合うがごとくに縺れあった。

「ちぃッ!!　人間の分際でっ!!」

魔術では分が悪いと判断した櫻啼は遥風を目掛けて急降下する。

手にはサタンの象徴である三ツ又の矛を持つ。
一気に串刺しに貫く作戦だ。

「業火ッ!!」

遥風は手のひらをかざし、黒色の焔を噴射させる。

「馬鹿なッ!?」

全てを焼き尽くす業火。

その術を使えるものは魔族であってもそうはいない。

「ぐぁあああっ!!」

慌てて回避したが避けきれない。

左腕左足がじゅうっと音をたて焦げる。

「畜生ッ……下等な人間の分際でっ……」