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闇の王と光の騎士

第5章 破滅のはじまり

二人は王立魔導アカデミーでは先輩後輩の関係だった。

神童と呼ばれた霧里であったが、先輩であるまあやとは勝負がつかなかった。

幾度も手合わせをしたが、互いに譲らぬ接戦で完全決着はついたことがない。

それほどにアカデミー時代のまあやは手練れのものであった。

「私はすまいる王に仇なすものの首を獲るように命じられている……」

「そう……私もよ……」

殺気立つ霧里と困惑に満ちた表情を浮かべるまあや。
対照的な二人が見詰め合う。

「……あなたはすまいる様に忠誠を誓っていない……」

霧里は刀を抜き間合いを詰める。

「……あなたと殺り合いたくはないの。わかって」

まあやは距離をとりながら体勢を整える。

「すまいる様の敵は……殺す……」

15才の殺人鬼は冷たい瞳で飛び掛かった。


今、魔導アカデミーのエリート同士の戦いの幕が切って落とされた。

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