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闇の王と光の騎士

第5章 破滅のはじまり

ゆずの目的はすまいる王立軍幹部の暗殺。
そのために重要都市である南の都を狙いに定めていた。

人間の創り出した繁栄など所詮は虚構にすぎない。
地震や嵐などの天災があれば瞬く間に崩壊する。
そんな不安定な文明都市など瞬時に破壊し尽くせるとゆずは考えていた。

だが、

「案外丈夫に出来てるみたいね……私達が封印で眠らされてる間に人間どもも進歩したって訳か……」

その発展にゆずは驚きを隠せなかった。


透き通るような白い肌に深い紫の瞳、しなやかなボディラインを強調する革の衣装。
堕天使であることを隠したその姿は擦れ違う男たちの視線を集める。

(穢らわしい目で見やがって……下等生物が……)

不躾な視線を感じてゆずは眉をひそめる。

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