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禁断の恋は病院の中で

第3章 *日常には眼を閉じて*



「鈴ちゃんは置いといて、今日、和人の顔がいつも以上に強ばってたぞ。また何かあったのか?」



「……いや?何も知らないよ?」
「そうか…。」



髪は金髪でパーマに茶色のメッシュ、白衣も腕をまくっていたり、ピアスもジャラジャラしていて、

一見チャラそうな由希だが
今だけはそんな雰囲気も見られない


あやめも、真剣な顔つきだ

少し長めの髪を後ろで緩く束ね
黒縁メガネの奥で考えていることは
誰にも予想がつかないだろう



「まだ、大学3年になっても、和人のいじめはなくならないのですか?」

「あぁ、そうらしい…中庭を羨ましそうに眺めていたよ。」




和人は、俺が和人と出会う前、
幼い頃からいじめられていたらしい

病院にこもりがちだったためか、
『薬臭い』などとからかわれたり、
『病院にしか頼れない弱い少年』と呼ばれたりしていると、出会った当時に母親に聞いた


それが理由で学校にも行くことも更に減り、中学、高校でもなくならず、高校と大学が一貫のため、大学生になってもいじめは続いている




が、ただ一人だけ
和人を見捨てない奴がいた

"嶋戸 咲良"だ


幼馴染みの彼女は
隣で和人をずっと見てきたのだとか

そして今では恋人になった
理由は知らないが彼女も和人を見捨てられない大きな理由があるんだろう





和人は嬉しいだろうな…



しかし、俺にとって嶋戸 咲良は
敵でしかない

和人にだけは言えないが
俺だって和人を好きなんだ



もちろん恋愛的な意味で



けど、患者に『好きだ』
なんて言えるはずもなくて

しかも相手は男だ
拒絶しか待っていないから


  

   

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