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第8章 ☆想いと言葉

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それから1週間が経った。


木曜日の夕方6時。


タイムカードを切って、会社のエントランスを抜ける。




「……はぁ………」




大きくため息をついて、私は駅までの道を歩き始めた。


定時に仕事が終わったけど、この時間でも既に風が冷たい。




(明日で3年目突入か……)




結婚記念日は明日。


だけど今でも、先週からの気まずさが続いていた。


というより……


あからさまに、私が翔ちゃんを避けてしまう。


夜は寝たふりをして、朝は会話をしないように、逃げるように先に家を出ていた。


1週間私に逃げ回られた翔ちゃんは、さすがに今日の朝は不機嫌で。


私が玄関のドアを開けた時




『彩、今日の夜は寝ないで待ってろ。
なるべく早く帰ってくるから』




って、後ろから声をかけられた。


久しぶりに、低くて怒った声。


私は小さく返事をして、家を出たんだ。

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