♡*:。.rena's world story.。:*♡
第9章 ☆本当の気持ち
「………翔ちゃん………?」
半ば放心したまま、翔ちゃんを見ると
翔ちゃんは私から目線を逸らし、ため息をついた。
「……お前、繰り返し来るほど好きだったのか」
「……えっ!?」
「いいよ、今日は俺が買ったから」
翔ちゃんは低い声でそう言うと、片手で顔を覆う。
好きだったのかって………
ど……どういう意味……?
「お待たせしました」
困惑して何も言えないでいると、再び波留くんがお店から出てきた。
手に、リボンのかかった箱を持っている。
「ご自宅に残っていた紙袋のロゴを見て、ご来店くださったんですよ」
「…………えっ?」
驚く私に向かって
波留くんは、優しく笑って続けた。
「 “ 奥様 ” にお召し上がりいただいたフルーツケーキ。
あれよりもさらに心を込めて作りました。
………旦那様の想いも、たっぷり入ってます」