♡*:。.rena's world story.。:*♡
第9章 ☆本当の気持ち
“ ご自宅に残っていた、紙袋のロゴを見て…… ”
その言葉で、なんとなく思い出した。
私、波留くんからもらったフルーツケーキの袋。
包装が可愛くて、捨てずにキッチンに置いたままだったような……
でも……
どうして翔ちゃんが………
「ありがとう」
波留くんがその白い箱を紙袋に入れると、翔ちゃんはお礼を言って受け取る。
「サプライズにしようとしたのに、渡す前に見つかっちゃいましたね」
「……本当に。
慣れないことをするもんじゃないな」
翔ちゃんが苦笑いをして答えたので、波留くんはクスクスと笑った。
………胸が、ドキドキして苦しい。
「……タバコ吸うから先に行く」
翔ちゃんは小さい声でそう言うと、並木道に向かって歩き出した。