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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第10章 ☆それだけで、幸せ

「……これみよがしに、この店の袋が置いてあったからな」




翔ちゃんは、ムスっとした顔で口を開いた。




「………え?」


「先週、彩がリビングで寝てた日。

お前、俺にキレた後そのまま寝ただろ?

そのあと、キッチンで見つけたんだよ」


「…………」




つまり……


早い話、ご機嫌取りってところかしら。


それでも


翔ちゃんが、私の為に行動したのは事実。




「……別に、ここのじゃなくてもよかったのに……」


「食べ終わった単なる袋なのに、大事そうに置いてあったから。

それに、変なオーラというか……やけに威圧を感じたんだよ」




不機嫌そうな顔だけど


私と目線を合わせないから、絶対照れてる。




「わざわざ3日前に来て、予約だけするなんて……」


「お前の1番好きそうなやつは、オーダーしなきゃ駄目で。
その場で買えなかったんだ」


「………っ
いつも終電なのに……なんで今日はこんなに早いの…?」




私がじっと見つめると


翔ちゃんもやっと私を見て


小さい声で答えた。




「……大事な日に、一緒にいられないから。

1日前倒しでお祝いするため……です」

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