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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第14章 ★叶わない願い

話をしながら、去年までの自分を思い出す。


……一条さんへの償いを続けていた、出口の見えない日々。


私が欲しかったのは “ 物 ” ではなくて、“ 巻き戻したい時間 ” だったけど


その願いが叶うことは無いと思っていたから


夢を見てる間、その空想の世界に浸ることで


現実に背を向けて生きていたんだ。




「……ヒメ、ありがとう……」




……あれからもう、3ヶ月近く経った。


今でも感謝の気持ちは心に溢れていて、何度も彼にその想いを伝えたくなる。




「私の場合……手に入れたって感覚ではなくて……

かけがえのない大切な日常を、ヒメが私に与えてくれたの」


「……………」


「そして……何よりもヒメが私の傍にいてくれる。

私、本当に幸せだよ」




……質問の話とずれちゃった。


そう思いながらも両手を伸ばして、ヒメの頬を包み込むと


ヒメは優しい眼差しで私を見つめた後、そっとキスをしてくれた。




「それは、こっちのセリフ。

つーか、心臓ブチ抜く言葉連発するんじゃねーよ」



「……ヒメ……」



「お前のことはよく分かってるから、心配するな。


毎回言わなくても、俺にはちゃんと伝わってるから。


……これからは、夢に何かを求めなくていいんだよ」

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