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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第15章 ★5分の差

………4月になっても、相変わらず海外と国内の往復が続いているけど


就職して6年目の春を迎え、それなりに地に足を付け、自分の位置が確保できつつある。



余裕と感じる日は1日もない代わりに、充実感は確実に増していて


………その理由が明確になった今


あのバレンタインの暴走劇も、無駄ではなかったんじゃないかと思えてきていた。


………いや


そんなことねーか………




「報告書じゃなくて、お嬢さんとのお見合いの話でしたら。
俺、何度も丁重に……」


「いや、例のストーカー女の話だ」




上司の言葉に、俺だけでなく周りの奴らも顔を上げる。


どれだけ耳がいいのか、隣りの部署の女達まで、そろりと近付いてきた。




「……じゃあ、外で……」

「いや、いいよここで。すぐ終わる」




そーいう意味じゃないんだけど、心の中で呟きながらも


小さいことに気を遣わないこの人には、周りの視線なんてどうでもいいらしい。




「最後はお前のマンションまで押しかけてきたんだよな?」

「まぁ……そうは言ってもエントランスから覗かれる程度でしたけどね」

「十分危ねぇよ。
モテるお前にとっちゃ大したことないのかもしれないが、立派な犯罪だ」




上司は顔を歪ませて溜息をつく。




「会社の判断で、彼女は強制解雇にしたよ。

明日からは安心して仕事に励んでくれ」

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