♡*:。.rena's world story.。:*♡
第3章 ♥忠告
…………?
「触らせるなって、指輪のこと?」
「………違う」
「……え?じゃあ、何を? 誰に?」
「……………」
立花は私の質問に答えず、ふっと目線を逸らした。
な……なんだなんだ?
さっきから意味が分からなくて、私はただぽかんとして立花を見上げる。
少しの間、お互い無言だったけど
青信号が点滅したのに気付いて、私は慌てて駅の方へ体を向けた。
「遅刻しちゃうから、もう行かなきゃ。
アンジーと彼の件は、また報告する……
………!」
横断歩道を渡ろうとした時
急に後ろから右腕を掴まれて
私は驚いて振り返った。
「……大事なんだよ、咲原」
「…………!」
「お前が感じてる以上に、隼人はお前の事を大切に想ってる。
隼人が大事にしている女だから
俺にとっても同じなんだ。
……それを、忘れるな」