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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第16章 ★行かないで

「………美和、大丈夫だから」




その小さな頭を優しく撫でる。

とにかく美和を安心させたい。




「何も変わらねーよ。
心配することなんてない」

「………でも」

「嘘じゃない。
俺はこれからもお前の傍にいる」




顔を上げたその瞳が、照明に照らされてキラキラと揺れる。


俺を信用しようとして、なんとか笑顔を作ろうとしてる美和。




……情けねぇな……


なんでもっと気の利いた言葉が出て来ないんだよ。




壊れるほど抱きしめたい衝動をなんとか抑えて


その愛しい頬を片手で包み込み、ゆっくりと顔を近付けた。



「………ん………」



美和の唇にそっと唇を重ねて、声にならない想いを注ぎこむ。


肝心な時に、甘い言葉を言えない俺は


こうしてキスをすることでしか、美和への愛情を表現できない。




………想いが強すぎて


どんな言葉も当てはまる気がしない。




「……ヒメ、私………」




美和が口を開いた、その時


RRRRRRR………


ポケットの中で、携帯が鳴った。

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