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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第20章 ★loveダム決壊

国際フォーラムに現れた蓮の後ろに、美和の姿が見えた瞬間から


俺は心肺停止に陥った。


……て言っても過言じゃないほど、全身から血の気が引いて


取り返しのつかない失態をしてしまったと、猛烈な恐怖と後悔に襲われたんだけど


帰りのタクシーの中でも、マンションに着いてからも


美和は一言も文句を言わず、手を繋いでくれていたから


俺はもう胸が締め付けられて……最初に言うべきだった謝罪の言葉さえ口に出来なかった。



………でも



「……ヒメ、私だけ見てほしいの」

「………!!」

「心の優しいヒメが大好きだけど。
………不安なの」



一瞬にしてトーンダウンした美和が、俺の胸に顔を埋めた。


途端に心臓がバクバク鳴りだして


美和の想いが全身に伝わってきて、何かが込み上げてくる。



「これからは、他の女の人の所には行かないで」

「……美和……」

「ヒメの事を、みんな好きになっちゃうから。
それはとても素敵なことだけど、やっぱり嫌なの……」

「…………っ」

「ヒメ、私の彼氏でしょ……?」



もう、最後は消えてしまいそうな掠れ声で

美和は絞り出すように続けた。



「……お願い、ヒメ。

私は、ヒメだけなの。

……ヒメが大好きなの……」

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