♡*:。.rena's world story.。:*♡
第4章 ♥2人の優しさ
「……アンジーに一目惚れをしたっていうのは、嘘だったの?」
「あぁ。全く興味無いね」
………酷い。
人の気持ちを何だと思ってるの?
私は直樹君を睨みつける。
「アンジーの喜んだ姿を見たでしょ?
どうしてこんな酷いこと出来るの?」
「だから、咲原に付け入る為の口実だって。
何度も言わせないでくれよ」
「……っ 私、結婚してるのよ?」
「でもさ、その割には」
直樹君は不気味な笑いを浮かべて、触っていた私の髪を自分の唇に運ぶ。
「まんざらでもなさそうじゃない?
本気で嫌なら、俺を跳ね飛ばしたり、大声を出せばいいのに」
「………………」
……できるなら、とっくにそうしてる。
ここは半個室だけど、どこに誰がいるかわからない。
こんな私でも、隼人の妻だから。
誰にも気付かれたくないし、少しの騒ぎも起こしたくない。
「答えないってことは、図星か。
思った通り、寂しい人妻なんだなぁ」
直樹君の手はどんどんエスカレートしていって、私の腰に回る。
「思った通りだ。
咲原の旦那、どうせ民間の冴えない会社員なんだろ?
可哀想だから、日頃の寂しさを埋めてやるよ」