♡*:。.rena's world story.。:*♡
第4章 ♥2人の優しさ
「隼人さんっ!
ちゃんとオーラ消しましたか!?
誰にも見つかっていませんよね!?」
店の前のロータリーに停まっていた、隼人のSUV。
助手席に立花、後部座席に私と隼人が乗り込むと
待ってましたとばかりに、運転席から事務所の後輩くんが振り返った。
「雑誌の対談を勝手に延期したことだって、まだ言ってないのに!
こんな飲み屋に連れてきたなんて知られたら、俺アンジーさんに殺されますよ~!」
「平気だって。
ちゃんとフォローするから。
それよりこれ、経費で落としといて。
あ、これもお前にやるよ」
ギャーギャー嘆く後輩くんの横に、手を伸ばして
隼人はさっきのレシートとクーポンを渡した。
「も~~奥様も一緒だったなんて……
って何スかこの額の違い!」
2枚のレシートを見比べて、後輩君がギョッとした顔で叫ぶ。
「こっちのはいいとして……
小一時間でビールジョッキ10……ワイン3……ってボトル!?」
「俺じゃねーよ。ほとんど彰だ」
帽子とサングラスを外しながら、隣りで隼人がニヤっと笑うと
前に座る立花は窓の外に目をやって、ボソっと呟いた。
「……ハイペースにならずには、いられなかったもので」