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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第30章 ♥隠れて甘いkissをして/wedding ceremony

「……………っ」




隼人の声が……震えている……


初めてシゲさんに伝えたであろう、本当の気持ち。




「……だから俺は……


シゲさんにどうしたら親孝行ができるか、ずっと考えていた。


だけど、全然思いつかないんだ。


あんたは何も言わないけど


そのツラして、金も腐る程持ってるくせに、恋愛も結婚もしないでここまで来て


……俺の為に全てを諦めた、あんたの望みが何だったのか……


シゲさんの本当の願いが、俺は今でも分からない」




………目を伏せた隼人の手を


私はそっと握る。



「……隼人……」



いつも毅然として、迷いが無くて


弱みは一切見せない……そんな彼も


本当は、心の中でずっと悩んでいて、模索し続けていたんだ。



………私、気付かなかったよ………




「……シゲちゃん」




アンジーの呼びかけに


シゲさんは頷いて、隼人に視線を向けた。




「隼人」




涙を拭いて、シゲさんはふっと微笑んだ。




「………俺の願いは、もう叶ったよ」

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