テキストサイズ

♡*:。.rena's world story.。:*♡

第30章 ♥隠れて甘いkissをして/wedding ceremony

「……………!」




隼人が顔を上げて、再びシゲさんを見る。




「……俺がお前の父親になった時から、ずっと望んでいたことは


隼人に “ 家族 ” が出来ることだった」



「……………っ」



「お前が誰かを愛して、誰かに愛されて


心から笑うことのできる、安心できる場所。


その願いが、今こうして叶ったんだ。


………お前はもう充分


俺に親孝行をしてくれたよ」




シゲさんが笑顔で言ったその言葉を聞いて


隼人の瞳から、一筋の滴が零れ落ちる。


立花と香ちゃんの瞳にも


大粒の涙が溢れていた。




「……なによ。

ちゃんと親になれてるじゃない」




ハンカチで目頭を押さえたアンジーが、ふっと笑った。




「息子の幸せを、ずっと願っていたんでしょ?


もう、いいかげん呼ばせてあげなさいよ。


……誰がどう見ても、あんたは隼人の父親よ」




………風がすうっと吹き抜ける。


その優しい空気が、背中を押すように


2人を包み込んだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ