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「………父さん」




隼人がゆっくりと、その言葉を口にした。




「………俺を、ここまで育ててくれてありがとう。


ずっと近くで、見守ってくれてありがとう。


あなたが俺の父親になってくれたから


俺は由宇に巡り会うことができた。


………初めて、父さんに恩返しできた気がする」




………隼人………っ



涙腺が崩壊して、２人の顔がぼやけてしまう。




「………隼人。

俺もお前には感謝してるんだ。

こんなこと、今日しか言わないぞ」




片手で顔を覆った隼人を見て、シゲさんは微笑んだ。




「俺の息子になってくれて、ありがとう」


「……………っ」




シゲさんはそう言ったあと、私に視線を移した。


全員が、その姿を見つめる。