♡*:。.rena's world story.。:*♡
第4章 ♥2人の優しさ
「……その話が本当だとして」
アンジーは続ける。
「なんで隼人がその事を知ってんのヨ!?」
「由宇がお前に気を遣って、言えなかったんだ」
「…………!」
隼人はチラッと私を見ると
少しだけ微笑んで、そのまま続ける。
「由宇は転勤の事を先に聞いてたらしいけど。
お前がキャーキャー舞い上がってるから、ずっと言い出せずに悩んでたんだよ。
俺はそれに気付いたってわけ」
「………………」
アンジーは呆然として、黙ってしまったけど。
しばらくしてから、小さい声で呟いた。
「……でも、それならそうと。
直樹、直接アタシに言ってくれれば良かったのに……」
ヘナヘナとイスに座り
いつになくシュンとしたアンジーを見て、私は胸が痛くなった。
シゲさんは、黙って私達を見つめている。
すると
立花がすっとアンジーの隣りに座った。
「男ってバカなんだよ、アンジー」
「……………!」
立花はアンジーの肩を抱くと
穏やかな声で続けた。
「一目惚れするくらい、奴はアンジーを好きになっちまったから。
サヨナラを言うのが辛かったんだろ。
………黙って去った男心
分かってやれよ」