♡*:。.rena's world story.。:*♡
第4章 ♥2人の優しさ
「………………っ」
胸が熱くなる。
……出来過ぎた、作り話。
だけど、本気で恋をしてる彼女には
この上ない優しい嘘だ。
「……何よっ!直樹のやつ!
意気地なし~~~!」
アンジーがカウンターに突っ伏して泣き出すと
その奥で、シゲさんがふっと笑った。
隼人も黙ったまま煙を浮かべる。
「そんな悲しい顔するなよアンジー。
今日は金曜日だぜ?」
目頭をハンカチで押さえたアンジーに、立花は笑いかけた。
「今日は特別、香に朝帰りの許可をとってあるから。
全部忘れて、遊びにいこーよ」
「……………!」
「オールナイトで付き合ってやる。
俺、まだ飲みたりねーんだ」
立花の色気たっぷりな目と、甘く誘う声に
アンジーがピクッと反応する。
「……今から?」
「そうだよ。俺じゃ不満?」
「………あの、色黒細マッチョは?」
「色黒細マッチョ?
……あぁ、翔太のことね」
隼人からタバコを2本受け取って
立花は笑いながら、1本をアンジーに渡した。