♡*:。.rena's world story.。:*♡
第5章 ♥ノックアウト
帰り際、シゲさんが渡してくれたオードブルを並べて
隼人と私はグラスを合わせる。
広いリビングは間接照明だけつけられていて、一面の窓ガラスから夜景の光が零れて。
自分の家だと思えないくらい、高級なBARのような雰囲気だ。
「なんで先に1人でシャワー浴びたの?
逃げるように扉閉めるし」
「……そ、それは……」
ワインを口に含みながら、しどろもどろになる私。
直樹君の残した痕を、直ぐに消したかったのもある。
でも
それより………
「それは、の続きは?」
隼人の低い声が隣りから響いて、胸がドキっと鳴った。
『消毒と殺菌。 あと抗菌』
甘い声で囁かれたその言葉が、全身を熱く高ぶらせる。
……お仕置きされる……?
そんなゾクゾクする刺激に耐えられなくて、思わずバスルームに逃げてしまったんだ。
「……秘密」
「ははっ、なにそれ」
私の答えに、隼人はふっと笑った。