♡*:。.rena's world story.。:*♡
第35章 ☆*♪ X’mas short short *3*
いつもの優しい口調からは想像もできない、ゾクリとするような冷たい声。
10月から恋人だと思っていた、同じ学部の彼は
ベンチから立ち上がると、大きな溜息を漏らした。
「お前に近付いたのは、朝倉さん目的だったってだけ」
「…………!!」
「あんな可愛い子と知り合いってだけで、自慢できるからな。
あわよくば奪えるかな~って思ってたし」
「…………っ」
………数分前までは、私の心はこの人への愛でいっぱいだったはずなのに
ニヤニヤしながら私を見下ろす彼が、不快で仕方がない。
「まあ、要は暇潰しだよ。
あ、いけね、待ち合わせに遅れる」
「…………」
「すぐそこのビルの中にある、レストラン予約してるんだよ。
だから早めに消えてくれる?」
「…………」
「じゃあな、陽菜。
これからも水泳頑張って」
私にくれるんだと思っていた、プレゼントの入った紙袋を持ち直して
彼は何事も無かったように、イルミネーションが続く人混みの中に消えていった。
………残ったのは
クリスマス当日の夜、粉雪までチラつきそうな寒空の下で
フラれた20歳の女、ただ1人。
10月から恋人だと思っていた、同じ学部の彼は
ベンチから立ち上がると、大きな溜息を漏らした。
「お前に近付いたのは、朝倉さん目的だったってだけ」
「…………!!」
「あんな可愛い子と知り合いってだけで、自慢できるからな。
あわよくば奪えるかな~って思ってたし」
「…………っ」
………数分前までは、私の心はこの人への愛でいっぱいだったはずなのに
ニヤニヤしながら私を見下ろす彼が、不快で仕方がない。
「まあ、要は暇潰しだよ。
あ、いけね、待ち合わせに遅れる」
「…………」
「すぐそこのビルの中にある、レストラン予約してるんだよ。
だから早めに消えてくれる?」
「…………」
「じゃあな、陽菜。
これからも水泳頑張って」
私にくれるんだと思っていた、プレゼントの入った紙袋を持ち直して
彼は何事も無かったように、イルミネーションが続く人混みの中に消えていった。
………残ったのは
クリスマス当日の夜、粉雪までチラつきそうな寒空の下で
フラれた20歳の女、ただ1人。