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♡*:。.rena's world story.。:*♡

第7章 ☆甘い誘惑

「彩さん、素敵な名前ですね」

「……えっ!?
い、いやいや、波留さんほどでは……」

「波留でいいです。
どういう漢字を書かれるのですか?」

「ふ、普通の……
難しくない “ 彩 ” です……」




……難しくない彩って、なんだそりゃ!

自分の発言が意味不明過ぎて、心の中でツッコむ。

すると、彼はまた微笑んだ。





「 “ 彩どり ” の彩ですね」



「………!」



「そんな感じがします。

花が咲いたような、素敵な笑顔だから。

すごく似合っていて、良い名前ですね」




彼は笑顔のまま、ショーケースに目線を移した。




………彼の言葉が、私の心に優しく響いて


気持ちが込み上げてきて、目頭が熱くなる。


まだ名前しか知らない彼。


胸が高鳴る自分に戸惑って、何も言えなくなってしまった。


こんなに優しい言葉で、誰かに名前を褒められるなんて


もしかしたら、生まれて初めてかもしれないんだ。




「……………っ」




私、こんな小さいことで


いい大人のくせに


何泣きそうになってるのよ……

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