仰せのままに
第5章 お望みならば、喜んで
恐る恐る出てきた、私を、
和也様は、下からゆっくりと見上げ、
「ま、良いじゃん。」
と、言うと、
パシッと手を掴んで、
「行こっか。」
意味深げに、笑った。
「怖いのですが…」
「今日、敬語無しね?」
「外出届を出していないのですが、、」
「敬語。 無しね?」
目が笑ってない笑顔で、見つめられ、
「とりあえず、財布…取って…くる。」
「ごーかく♪」
玄関で、待ってる。
そう言った和也様
…和也君を背中で、感じて、
慣れないヒールに、足をもたつかせながら、
部屋までダッシュした。