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仰せのままに

第5章 お望みならば、喜んで


「どこ、行くのー?」

「…とりあえず、服でも買いに。」

「ん。」

さりげなく、手を握られて、

「ちょっ…!?」

その冷たさに驚く。


「手、冷たい…よ?」

「ん。心が暖かいの。」

「大丈夫?」

「真子が、暖めてよ。」


…直視出来ない笑顔から、

顔を背けると、

「無視んなや(笑)」


変わらない笑顔で、笑う。


「その服、似合ってるよ。」

「そういうこと、カレンちゃんにも、言うの?」

「いや。アイツと出掛けたことないし。」

「…なんか、すごい申し訳ないんだけど…。」

「いんだよ、気にすんな。」


…気にします、とても。


「てか、なんか日本語が丁寧過ぎて、キモい。(笑)」

「スパルタ指導されたから。(笑)

そんな昔から、汚かった訳じゃないし。」

「いや、こっちとしては、聞きづらいよ。(笑)」


カレン様に、申し訳ない。

とか、馴れ馴れしくしちゃダメだ。

とか、そういう気持ちは、どんどん無くなっていって、

和也様に、惹かれていくから、


女って怖い。

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