妹萌えフラグ3
第10章 妹の感情
ガタガタっ!
「ユイッ!」
「お兄ちゃんっ!」
乱暴に風呂場の扉を開くと、そこには涙目のユイとユイに覆い被さっている守兄ちゃんの姿があった。
「守兄ちゃん…」
「お兄ちゃんっ!嫌いにならないでっ!私のこと、嫌いにならないで…!」
ユイは、守兄ちゃんをよそに、いきなり泣き出した。
守兄ちゃんの腕の中で、ユイは俺への贖罪の言葉を並べる。
ユイに対して腹がたつわけでもなく、守兄ちゃんを軽蔑するわけでもなく…。
その時のユイを見つめる守兄ちゃんの瞳が、あまりに辛そうで、俺は守兄ちゃんが哀れになった。
男として、いとことして、恋敵として。
「おにぃちゃんっ!」
ユイが、守兄ちゃんから離れ、俺に駆け寄る。