テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第12章 第一部第三話【月戀桜~つきこいざくら~】 十六夜の月

 しかも、その時、肥前屋にはまだ十二と十の幼い二人の娘がいた。
―旦那には申し訳ないけれど、あたしは良い母親にはなれそうにありません。正式な女房にっておっしゃって下さる旦那のお気持ちはありがたいと思いますが、あたしは今の気楽な立場がいちばん性に合ってるんですよ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ