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　追い打ちをかけるように、事態は更に深刻なものになっていった。長屋の他の住人にも被害が出始めたのだ。まず、大工の錠吉のところに病人が出た。智助とよく遊んでいた長女のおしまが痲疹にかかり、次いで、まだ一歳になったばかりの赤ン坊が発症した。
　他にも子どもが三人、大人が二人、痲疹らしい症状で寝込んだ。幸いにも、老人には発症者はいなかった。