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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第22章 第二部・第五話 【冬柿】 予兆

 予兆

 短い冬の陽が真っすぐに地面を照らし出している。日毎に透明感を帯びてくる陽差しがその男をすっぽりと包み込んでいた。男にしては小柄で、背中もわずかに曲がっているように見えるのは猫背気味なせいだろうか。

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