テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第22章 第二部・第五話 【冬柿】 予兆

 舌を絡ませ合い延々と続く口づけは例えようもなく淫らで、妖しい水音さえ小紅の身体を熱くさせる。やがて栄佐の大きな手がそろりと小紅の胸を包み込んだ。大きな手のひらがすっぽりと胸のふくらみを包み込み、慎重な手つきでゆっくりと動く。
 優しい手つきで揉み込まれ、着物越しですら胸でもまたあの得体の知れない感覚―気持ち良いのか切ないのか判らない感情が生まれるのをはっきりと感じた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ