テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第22章 第二部・第五話 【冬柿】 予兆

「お前、随分と大人になったな」
 栄佐が一瞬、眩しげに眼を細め小紅を見つめる。小紅は彼が一瞬眼を奪われるほどの婉然とした微笑を浮かべた。
「やあね。何をらしくないことを言ってるの」
「まあ、とにかく気を付けるに越したことはない。夜は戸締まりはきっちりして、昼間も当分は一人で無闇に出歩かないこと、良いな?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ