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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第2章 【残り菊~小紅と碧天~】 恋一夜

「そうだな、てっとり早くいえば、そういうことになる。この世には色んな人の縁と縁が複雑に絡まり合っているようだが、実は、ある人から辿っていけば、その縁の糸はたった一人の誰かと一本だけで繋がっている。現世(うつしよ)に父と子はそれぞれ一人きり、夫婦もしかりだ。だから、意外に簡単だし、予め決められたものだともいえると言ったんだよ」
「何となく判るわ、叔父さまのお話」

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