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　おしかは感心したように唸った。
「それにしても、江戸中の女が憧れる板東碧天をあそこまで骨抜きにしちまうなんて、小紅ちゃんも虫も殺さないような可憐な風情をして、どんな手練手管を使ったんだろう。なかなか結構な玉じゃないか」
　と、これはまた栄佐が聞けば眉をひそめるであろう科白を口にしたのだった。