テキストサイズ

一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第24章 第二部第五話 【冬柿】 父と娘

「甘い豆が酒の苦さに絶妙に、ですよ」
「面白い人だ。さては、なかなかの酒豪ですな」
 仁助の疲れ切った面に初めて笑みが浮かんだ。
「ま、それはこれからのお楽しみということで、とにかく帰りましょう」
 栄佐は仁助を伴い、長屋への道のりを辿った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ