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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第24章 第二部第五話 【冬柿】 父と娘

「止して下さいよ。私はまだ、あんたの父親になった憶えはありませんからね。大体祝言はまだ半年近くも先のことでしょうに、今から随分と馴れ馴れしい態度は気にくわないね。こちとら、大切に育てた娘をくれてやるんだ。もし、他の女に現を抜かして小紅を泣かせるようなことがあったら、子々孫々まで祟ってやりますよ。ええ、化けて出てやりまとも」
 言ったがすぐに、いきなりおいおいと泣き出す始末だ。

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