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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第24章 第二部第五話 【冬柿】 父と娘

 小紅がクスクスと笑う。栄佐はまるで少年のようにむくれた。
「何だ、未来の良人に対してその物言いは。これは少しお仕置きが必要だな」
「まっ、幾ら結婚して夫婦になるんだからって、私は栄佐さんの所有物になるわけじゃないんだから。お仕置きだなんて、子どもじゃあるまいし」
 今度は小紅が頬を膨らませる番だ。栄佐は余裕の笑みを見せた。

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