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一度だけ抱いて~花は蝶に誘われてひらく~

第25章 第二部・第六話【春咲く花】 再会

「判った、これからは気を付けるわ」
 しばらくして小紅が微笑んで言ったのは、むしろ自分よりは栄佐を安心させるためだった。
 だが。事はそれが終わりではなかった。その数日後の深夜。
 その夜は京屋から頼まれた仕立物の納期が迫っていて、遅くまで夜なべをしていた。流石に夜も更けてきたので、片付けて床に潜り込んだところまでは憶えているが、疲れからか、すぐに熟睡してしまった。

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